間違ってもいいから、自分の力で思考することが大切なんだなぁと
仕事は終わってませんが、もうやりたくないので
ブログ書くことにします。
久々だコレ。
先月は学振DC1申請書類書いててマジ時間なかったっす。
今やってる研究が修士には完結するはずなので、
ゼロから研究計画立てる必要があるんだけど、
これが大変なのよね。
自分の携わっている分野は、今、何がわかって、何が分からないのか、
そして何を解決してほしいのか。
これをいろんなところから集めなきゃいけない。
論文とか学会とかで。
それを踏まえたうえで、じゃあ、
うちのラボでできることは何だ?
うちのラボの強みって何だ?
ってなことを考えて、計画を練っていくわけですよね。
初めてやる研究計画作成なんで、そりゃあ四苦八苦しました。
夜にうんうん唸ってると助教の先生が、
「まぁ、博士号の獲得に必要な技能の一つが、この研究計画を自分ひとりの力で建てることだからね。焦ることはないよ。」と、
いつもなぐさめてくれていました。
とはいえど、学振DC1に採択されるためには、
それくらいのことをこなせる(3年先のことができる)くらいじゃあないと
受からない(と私が勝手に思っていた)ので
必死に考えて考えて、何とか書き上げました。
その計画書の出来栄をボスに褒められた時なんかは、
感激も一入。
なんつーか、もうDC1採択されなくてもいいんじゃないかなとか思えてくるくらい(いや、もちろん通っててほしいですけどね。)
そうして
学振DC1申請書類の作成で学んだことは、
「アイデアを出すことのむずかしさ」
ですね。
実験でデータを出すことが大変
ほしい情報を論文から探し出すのが大変
論文を執筆するのが大変
英語でものを書くのが大変
もちろん、どれも大変な仕事なのですが、
これらを経験したうえでわかったのが、
「今までにないアイデアを出すこと」の方がはるかに大変だということです。
ゼロから1を生み出す。
それをするのが研究なんだな。
と改めて痛感しました。
そのアイデアを生み出すためには、常日頃から思考を続けることが大事なわけです。
私は「研究」というものを、5つの “しこう” に分けて捉えています。
こうしたいというビジョンに「志向」し、
そのためにはどうすればよいか「思考」し、
本当に思った通りのことが起こるのか「試行」し、
得られた結果を社会に役立てるために「施行」する。
志向に対して思考と試行を重ねた結果、最後に施行できるわけです。
そしてその一連の研究の流れを決定づけるのは、本人の「嗜好」なのだろうと。
このように考えています。
中でも、特別重要視しているのが「思考」の段階です。
先の述べたアイデア、ゼロから1を作るプロセスは
この思考の段階で行われるからです。
最近、この思考の大切さを同じラボの留学生(恐れ多くも准教授)の人に伝えています。
彼らの文化では、「分かっている人がいるならその人に聞いてしまった方が早い」というものなので、仕方のないことだとは理解しているのです。ですが、それを踏まえたうえで言いたいことは、
ここは日本だ。
ここは○○研究室だ。
郷に入っては郷に従ってもらおう。
我々のラボでは、うちの講師がそういうスタンスであるのもあって、
「まずは自分で考えよ。」
という方針のもと、研究が進んでいます。
これには、いくつかの狙いがあると私は考えています。
(なぜ、自分で考えなければいけないのか、それも自分で考えましょう。)
1.学生に物ごとを考える習慣をつける。
2.その過程で必要な情報を集め、いらない情報を棄却する力をつける。
3.物ごとを論理的に考える力を高める。
4.事象と事象の組み合わせから言えること、すなわち自分の意見を明確に言えるようにする。
という学生の成長面の他に、
他者の言っていることが正しくなかった時の責任の所在
という責任問題(?)があります。
研究の世界で
「彼がそう言ってたんだ!」
は、エビデンスになりません。
とっかかりとして他人の話を聞くのはいいでしょう。
しかし、他者に意見を求めても、責任をその他者に求めるのではなく、
自分で納得のいくようにしなければなりません。
そのためには探すなり、試すなりをする必要があると思います。
彼ら留学生は、こうしたことを学んでこなかったようです。(もちろん文化の問題です。)
そのせいか、分からないことがあっても調べる癖が無く、すぐに聞いてきます。
また、事実だけを並べて、自分の意見がない研究になってしまいそうでした。
最近では、徐々に自分で考えるとというプロセスを経験させていたので、
思考の大切さを理解してきたようです。
おかげさまで、だいぶ良くなってきたと思います。
もちろんまだまだな所もありますが。
これは、何も留学生だけに言えることじゃなくて、
私の教えている大学1年生(あ、私、大学で化学を教えています。)
の多くにも言えることです。
その辺は、おいおい書いていくことにします。
修士2年目で
思考の重要性に改めて気付かされております。
さぁ、そろそろ別のことを「思考」するといたしましょう。