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見えないものを見ようとして、顕微鏡をのぞきこんだ。

ある理系院生の備忘録 ~RiskとBenefitの狭間に揺れて~

研究発表と質疑応答に対する心構え

学位審査の季節がやってきましたね。

自分も先日、修士論文の発表が終わりまして、審査の結果待ちです。


研究発表と言えば、
学生は緊張して恐がり震えながら発表し、
先生からの質疑をなんとか“耐え抜く”というのが伝統でしょうか。


自分のラボにも緊張で胃が痛くなっている人がいましたねー(棒)


ですが、実はこうした発表に対して、あるいは質疑応答に関して
恐れる必要なんてほとんどないと思います。

どんなに優秀な先生でも
3年間もその研究対象だけに携わっている人はいませんから。

絶対に自分の方が詳しいはずなんです。
(よほど、研究をさぼったり、焼き増しのような研究をしていない限りは。)



だから、その研究対象に関する質疑応答なんて恐れる必要なんてないのです。

むしろ、「コノ先生は、自分より詳しいかもしれない」と思った瞬間、
言葉が出てこなくなってしまいます。

後輩に教えるつもりの気持ちで話した方が、
先生にとっても納得できる回答が提出できます。

それと、反発してくるような質問者に対しては
(滅多にいませんけど、研究を否定する人は少なからずいます)
論破するくらいの気持ちで話しましょう。
もしかしたら、わざと試しているかもしれませんしね。


発表や質疑応答に関して、まず何より自信を持つことが大事です。
その自信あふれる説明にこそに、初めて分かりやすさやおもしろさが宿ります。


ですが、しっかりと対策を練らないと答えられない
“恐れるべき”質問もあります。


質問者の専門分野に引きこまれる(絡めてくる)場合です。

自身の研究から、相手の得意分野に土俵が移るわけですから、
答えにくくもなりますし、厳しい質問も飛んできます。


こうした質問に対して、
自分の土俵に戻そうとすると議論が平行線になったり、
知識不足がたたって、率直に答えられなかったり、
最悪な場合、何も答えられず黙り込んでしまう人さえいます。


こうした質問にキチンと答えるためには、もちろん、
常日頃から様々な文献を読み、バックグラウンドを広げておくことが大事です。
しかし、それには限度がありますし、
学生からしたら、まだ数年しか研究していないのに対して、
最前線で研究をしている先生方は数十年のキャリアです。

訓練兵が熟練の戦士と満足に試合をするなんて、
そう簡単なことではありません。
ましてや、フィールドは相手側に有利。

こうした質問に対しては、
聴衆の学問分野や研究内容を出来るだけ把握して
どんな背景を持つ人から質問が来るのか想定することが大事です。
そして、想定したうえで満足のいく回答を用意しておくことで、
百戦錬磨の先生方も納得してくださいます。

いかに想定できるか、にかかってきますが、
その想定は聴衆ありきです。

学位審査であれば、自分の大学の先生が聞くのである程度は想定可能でしょう。
学会であっても、何回か参加していればどんな背景を持つ人が出席しているのか
どんな回答が好まれるのか把握することは、不可能ではありません。
(それなりに難しいですけど)


あらかじめ、自分の発表を聞いてくださる方たちのことを調べ上げること、
これも発表者の心構えとして重要なことなのではないでしょうか。


ここまでやって、
答えられないような質問が来たらどうすればいいかって?

正直に「分かりません」といいましょう。
下手に良く見せようとすると墓穴を掘るだけです。
(私は博士進学の面接で、無理に答えようとして墓穴を掘りました。)