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見えないものを見ようとして、顕微鏡をのぞきこんだ。

ある理系院生の備忘録 ~RiskとBenefitの狭間に揺れて~

エジプト滞在報告 ―招待講演と研究指導、街の様子を添えて―

今月中旬、エジプトのアレクサンドリアに滞在し、ダマンフール大学のシンポジウムで講演して参りました。

ダマンフール大学は試験期間中で学生の参加者こそ少なかったものの、多くの研究者や大学院生がシンポジウムに出席して私たちの講演を聴き、熱心に議論して おりました。中には車で2時間も離れたアレクサンドリア大学から足を運んできた研究者や院生もいました。シンポジウム会場は前の方から埋まっていき、自分 達が少しでも疑問に思ったことは極力言葉にし、納得するまで対話を終えないその姿勢から、学ぶことに対するどん欲さを感じ、私たちも見習っていかなければ ならないと思いました。

その後の、実験指導では実験道具の乏しさをはじめとした日本との環境の違いに多少の驚きもありましたが、「あるものでできることをする」、「便利な道具が なければ、自分の腕を高める」というスタンスに、自分の置かれている状況は恵まれているのだと思うと同時に恵まれているからこそ、その分の速度と正確さを 持った研究を進めていかなければならないのだと感じます。

加えまして、人生でもう2度と経験することないであろう、他国の大学の新学長就任会議?になぜか参加してきました。そして、一緒にケーキ入刀をしてきまし た。急な状況と飛び交うアラビア語に飲まれてしまいました。参列者は、学長がありがた~いお話をしているにもかかわらず、携帯電話が鳴れば電話に出て(そ もそも会議だろうがマナーモードにしない)、学長の話を中断させ、その肝の据わりっぷりに自分がいかにチキンな男かよくわかりました。そもそも、学長室に 案内されたときに学生が気楽に出入りして携帯電話を充電していたり、キャンディをとって食べていたりするくらいですからね。人も国もおおらかという言葉一 番ぴったりします。

とはいえ、外務省が告知している安全情報では、エジプトの多くの地域でレベル2です。全ての建物の出入り口にはセキリュティゲートがあり、各所には検問が 設置され、銃(おそらくAK47)を持った軍や警察らしき人が随所にいます。科学技術の発展や環境、インフラの整備以前に、自国の治安を守ることにコスト も労力も割かなければならない現状を目の当たりにしました。実際、大気環境や交通網はよいとは言い難い状況です(WHOが公開している大気汚染によるがん 発症者数の多さでは、エジプトは世界でもトップクラスです)。治安維持のために、多額のコストを割かなくてもよい日本との大きな違いを感じます。

景色はきれいで、歴史もあり、ごはんもおいしいので(特に海産物やチキン、ラム肉はすごくおいしいです)、いずれ治安や環境がよくなり、安心して旅行がで きる環境が整ったらぜひとも皆さまには足を運んでほしい国です。あ、甘いお菓子は、日本人の口には合わないかもしれません(汗 

無事に帰ってきてほっと一息できたので、現状報告をさせていただきました。治安のことを考えてカメラを持っていかなかったのが悔やまれる! ちくしょう。