デンマーク留学記 ~15日目、二―ルさん一家と休日を満喫~

先日、研究室でお世話になっているニールさんが休日一緒に出かけようと誘ってくれた約束の通り、本日は1日、ニールさんと行動をともにしました。朝、ニールさん宅のあるVirumという町まで電車で出かけ、ニールさんの運転でHelsingørにあるDenmark techniques museumに向かいました。ちなみに、今回はニールさんの息子さん、サニー君(7歳)と一緒です。娘さん(10歳)もいますが、今日は友達の誕生会でそちらに。

 

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↑ ニールさんとサニー君。ちょっと前まで反抗期だったらしい。

 

道中、デンマークのカントリーサイドの土地の話や産業などの話を。ニールさんの話はどれも面白くて、研究者じゃなくてガイドさんでも十分やっていけると思いました。とくに面白かったのは、デンマークの土地の半分は平野で、もう半分はなだらかな丘が連なっている点。これは、かつて氷河期に、氷で覆われた後、その融け方の違いに起因するそうです。平野になった側の土地は、氷が早く融けたため、溶けた水が土砂を押し流して、平らになりました。もう半分はゆっくり融けたために、低いところを流れた水が土地に高低差を作り、時間の流れとともに上部が削れて、なだらかな丘になったとのこと。デンマークの人たちは社会科(地理)で習うのかな? 正直、自分は日本の地形に対してどれだけ説明できるだろうか。関東ローム層リアス式海岸、三日月湖くらいしか思いつかないぞ。

 

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そんなこんなでミュージアムに到着。中に入ると、サニー君が早速、3Dプリンターに夢中に。自分も本物が稼動しているところを生で見たのは初めてでした。3Dプリンターの印刷? 造形? ってすごく時間がかかるんですね。コップひとつ作るのに2時間以上かかっていました。一般に普及するには、まだまだ課題があるのかなと感じずにはいられません。

 

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今回のミュージアムのコンセプトは乗り物だそうで、デンマークの自転車、オートバイ、自動車はもちろん、石炭で動く列車や飛行機、潜水艦、戦闘機などが展示され、その歴史を知ることができました。もちろん、展示の解説文はデンマーク語なので、全部ニールさんが解説してくれます。自分には英語で、サニー君にはデンマーク語で。実際に、戦闘機や飛行機に搭乗して操縦桿を握ることができるなど、なかなか貴重な経験ができました。(サニー君よりも、大人2人の方が子供のようにはしゃぎまわっております笑)

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そんなサニー君、どうやら乗り物の中では空を飛ぶ乗り物類が好きなようで、車やバイクを見ていたお父さんを飛行機エリアに引っ張って連れて行き、一通り堪能したら、スカンジナビア航空の古い動画に釘付けになっていました。

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また、デンマークの年代ごとの町並みを模倣したジオラマのクオリティが高く、サニー君のお気に入りになった模様。私の服を引っ張っては、いろいろな写真を撮るように要求されました。(あ、ちなみにサニー君はまだ英語が話せません。)

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個人的に一番興味深かったは、第二次世界大戦で使用され、海底に沈んだ戦闘機を原型が崩れないようにサルベージした展示コーナーでした。当時の戦闘機の構造や性能はもちろんのこと、崩すことなく引き上げた技術にも惹かれました。

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手作りの飛行機を作成している工房のようなところもあり、そこでは職人さんが木製飛行機の作製していました。「さすがにエンジンは木製じゃないぞガハハ」と笑って解説をしてくれる、おもしろいおっちゃんでした。

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 ↑ エンジン以外ほとんど木製の飛行機

 

お昼を迎えて、おなかがすいてきたので一行はニールさんのおうちへ。ニールさんと同様、研究者である奥様に出迎えてもらいました。家の中を案内してもらい、その後テラスで昼食を。閑静な住宅街で、心地よい陽気の中、伝統的なデニッシュ(日本のデニッシュとはだいぶ違います。)を食べるランチは最高でした。食後には奥様の手製のケーキと紅茶まで頂き、まったりのんびりしたアフターランチを堪能しました。

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↑ 奥様。がん免疫の研究者らしい。

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↑ 奥様お手製のケーキ。中にはルバーブが。

 

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フットボールの大会でMVPを取ったメダルを見せてご満悦。

 

その後、ニールさんがアルバムを持って彼のご家族のお話に。何でも、彼の祖父母とその家族は、グリーンランドに住んでいるとのこと。グリーンランドデンマークは異なる国ですが、デンマーク人にとって、グリーンランドは自分たちの国という感覚が強いそうです。というのも、自分たちの税金で運営されている公共施設、とくに大型の病院や空港をグリーンランドの人たちにデンマークが貸してあげているそうです。そのため、グリーンランドは自分たちと同じ国という意識があるそうです。そんなニールさんの祖父は、グリーンランドで一角クジラやセイウチの猟をして生計を立てているそうです。ニールさんの親戚もグリーンランドに住んでいるそうで、写真を見せながら楽しそうに思い入れのあるグリーンランドの話をしてくれました。

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↑ ニールさんの祖父が書いた本と一角クジラの角から作った像

 

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↑ セイウチの牙

そんなこんなで、夕方近くになり、奥様は娘さんのお迎えに、ニールさんとサニー君は自分を駅まで送ってくれました。ニールさん、楽しい時間をありがとう。今回はたくさんの写真を撮影したので、Google photoにアップロードします。

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