デンマーク留学記 ~29日目、エーレ海峡一周コース~

この日は、6月25日の日曜日。せっかくの休日ということで、妻がまだ観光していない街まで遠出することにしました。デンマークのヘルシンオア ”Helsingør” とスウェーデンヘルシンボリ “Helsingborg”です。

コペンハーゲンからヘルシンオアまで、電車で北上し約1時間。(運悪く、この日は鉄道の整備のために途中からバス。)そして、ヘルシンオアからヘルシンボリへ船で約30分。ヘルシンボリからルンドとマルメ、そしてオーレスン・リンクを通過して、コペンハーゲンまで約1時間20分。ちょうど、エーレ海峡(エーレスンド)を一周する経路を通りました。図にするとこんな感じですね。

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実はこのルート、学会の合間の時間で、学会会場(ヘルシンオア)からルンドへ行くために、引率の先生が考案したものと同じなので、自分は2周目になります。今回はルンドやマルメでは降りずに、電車の窓から眺めただけです。

 

朝9時にコペンハーゲン中央駅を出発し、ヘルシンオアへ向かいました。電車の中で朝食をとるために、コペンハーゲン中央駅すぐそばにあるアンデルセンベーカリーでパンを購入しました。

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こちらのパン屋さん、もともと広島にあるパン屋さんが10年ほど前にデンマークへ出店したお店だそうです。デンマーク人に所縁のあるルバーブを使ったデニッシュペストリーなど、とても美味しく頂きました。

 

パンを堪能しながら電車旅を楽しみ、途中でバスに乗り換えてヘルシンオアへと到着しました。学会中に何度も訪れたヘルシンオア駅がこちら。

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ヘルシンオアは、活気あるコペンハーゲンと違って静かで落ち着いた雰囲気のある街です。昔ながらの街並みがそのまま残っていて、市庁舎に至っては、1500年ごろから今までずっと使われている建物だそうです。

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もともとヘルシンオアは、バルト海へ向かうためにデンマークの領海を通過する船に交通料を納めさせるための関所として発展した街とのこと。一番の観光名所はなんと言っても、ヘルシンオアの街を護る要塞として築かれたクロンボー城です。

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世界遺産にも登録されていて、シェイクスピア作「ハムレット」の舞台となった城です。城の中では、実際にハムレットの演劇も行われています。開演時間以外では、役者の方々が城の内外を歩いていて、 いつでも気さくに話しかけることができます。

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デンマークスウェーデンの城にはいくつか足を運びましたが、このクロンボー城はくまなく散策できる点が大きな特徴です。城の内外を全部見て回ると2時間はかかると考えておいた方がよいです。そんなクロンボー城の中で、個人的に気に入った見所は地下牢、展望塔、礼拝堂の3つです。

地下牢は、足下も見えないほどの真っ黒な闇の中にあります。写真で撮影できるのはせいぜいそこに至るまでの道程度です。ちょっとしたダンジョンを探検している気分に浸れます。ちなみに、地下牢の入り口には懐中電灯の自販機が設置されていて、いつでも購入可能です。

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展望塔(元はトランペット奏者の塔)は7階ほどの高さの塔で、頂上まで行くとヘルシンオアの街並みや海を隔てた先にあるスウェーデンヘルシンボリを臨むことができます。デンマークで、綺麗な景色を眺めることのできるスポットの一つです。

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ハズレのないスポットとして定番の教会・礼拝堂ですが、クロンボー城内部にある礼拝堂もまた例外ではありません。落ち着いた装飾品で飾られ、こじんまりとした空間にもどこか荘厳な雰囲気を感じさせます。クロンボー城は1600年代初頭に火災で焼け落ちてしまったのですが、この礼拝堂のみ、頑丈な作りであったため焼け落ちずに残ったそうです。

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もちろん、城内部にある王室や城の周囲の景色を楽しむこともできます。クロンボー城デンマークに行く機会がありましたら、迷わずお勧めするスポットです。

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 その後、城の近くのおしゃれな図書館で昼食をとって、船で対岸のスウェーデンへ。

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船はヘルシンオア駅とヘルシンボリ駅に直結しているので、アクセスがとてもよいです。また、ヘルシンオアとヘルシンボリはわずか5kmの距離で、船には車ごと乗り込むことができるので、デンマークの人はバケーションでスウェーデンに、スウェーデンの人はお酒を求めてデンマークに、お互い盛んに行き来しているようです(スウェーデンは酒税が高いらしい)。

 

ヘルシンボリに到着するとまず目に止るのが市庁舎です。というか、たいていの街をに来ると市庁舎は外せない観光スポットになりますね。

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デンマークよりも明るめのレンガでできているためか、少々華やかに見えます。さて、ヘルシンボリの見所ですが、一番はやはりシェールナン(Kärnan)でしょう。ヘルシンボリ市内の中央の丘にそびえる城です。フェリーからも見ることができるほど目立っています。

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この写真は、城の城門とその城門の上から撮影した景色ですね。この時点で十分高いのですが、城はもっと高いです。

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城といっても、見た目は塔ですね。17世紀後半に大半が戦火にさらされて、今では塔しか残っていないそうです。ほとんどの建物が低く制限されているヨーロッパの古い街並みの中で、高い丘の上にそびえ立つこの城は、一際目立ちます。実際に城の頂上まで10階建相当の高さがあり、そこから一望できる景色は最高の一言です。ヘルシンボリ市内はもちろん、ヘルシンオアのクロンボー城まで見えます。

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その後、ヘルシンボリの街を散策し、夕食を食べて帰路につきました。

 

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ヘルシンオアとヘルシンボリ、どちらも静かで穏やかな街ですので、 まったり過ごすのには最適な場所です。ぜひ、北欧に来て都会の喧騒に疲れたら、足を運んでみてはいかがでしょうか。