デンマーク留学記 ~16日目、ロスキレ大学での学位審査~

本日は、恒例の週明けミーティングを終えた後、昼過ぎからロスキレ大学に赴きました

ロスキレ(Roskilde)というのはここ。研究所から車で約30分。

Google Maps

 

フィヨルドの形成された湾に面した土地で、とても大きな大聖堂がこの街の象徴だそうです。先日、ロスキレに来たときの写真がこちら。

 

f:id:onodasyoui:20170529153346j:plain

f:id:onodasyoui:20170529170814j:plain

f:id:onodasyoui:20170529155255j:plain

f:id:onodasyoui:20170529155536j:plain

f:id:onodasyoui:20170529161728j:plain

 

 

 

今回、ロスキレに来たのは観光が目的ではなく、ロスキレ大学で行われる博士号の学位取得の審査会に出席するためです。今、自分がお世話になっている研究機関と共同研究を行っているロスキレ大学の研究室の学生が審査されるとのことで、研究機関の人たちが聴衆として出席するのについていった形になります。まさか、滞在中にこんな機会に立ち会えるとは思っていなかったので驚きでした。

f:id:onodasyoui:20170612123933j:plain

↑ ロスキレ大学


審査員と聴衆の前で45分間の口頭発表を終えた後、Defenseと呼ばれる審査員からの質問攻めに受け答えます。このDefenseは約2時間にわたって行われました。審査員は、ロスキレ大学の先生ではなく、コペンハーゲン大学やドイツの大学からの先生が招聘されており、その道の専門家として鋭い指摘を繰り返しておりました。自分も今年度、学位審査がありますので、とても勉強にさせてもらいました。とくに、審査員の先生方の質問は、私の研究内容に直結するものも多く、一つ一つメモをしては、自分ならどう答えるか考えながら聴いていました。


とはいえ、正直、「こんなもんか」と思ったのも事実です。研究内容、掲載された論文、学位論文、Defenseの質から判断するに、東京大学修士課程なら、これくらいはやっているんじゃないかな? という風に感じました。自分が想像している以上に日本の博士のレベルは高いような気がします。
(じゃあ、なぜ日本の科学研究レベルが低下しているのか。偏に、研究者がそれ以外の仕事に追われすぎて、まともに研究できていないだけだと思う。人材の有効活用ができていない。)

 

 

その審査会を終えた後は、学内の食堂に集合しました。そこでは学位取得のお祝いを行うパーティの準備が。まだ結果はわかりませんが、獲得決定! といった感じで、みなさんすでに食事を始めていました。当事者である学生もすでにシャンパンを口にしていました。

 

f:id:onodasyoui:20170612155913j:plain

f:id:onodasyoui:20170612161610j:plain

↑ お世話になった先生方にプレゼントを贈っている様子。

 

 

準備が終わると審査の先生方が来て、審査結果が発表され、その先生方の署名が入った書類とともに学位が授与されました。ここで乾杯の音頭が入り、正式にパーティ開始です。学位審査をされた学生の奥様も審査に立ち会っており、終始、緊張した面持ちでいましたが、結果を聞いてほっとした様子が窺えました。学位取得、おめでとうございます。

学位審査はもともと関係者のみで行われ、一般の人が発表を聴く事ができるのは、その審査後の公聴会になります。そもそも私のような学生が、他人の学位審査やその結果発表に立ち会えることは珍しく、それが尚且つ海外の大学で行われる審査に出席できたのは、大変貴重な経験となりました。自身の学位審査に向けて大いに参考にさせてもらい、自分もしっかりと学位を取得できるように努めなくてはと、決意を新たにするよい機会となりました。